この地区には、名医がいる。
ぎっくり腰になった時お世話になったのをきっかけに、先生に出会った。
何度か通って完治してからは、2度とぎっくり腰にならずにすんでいる。
私が知り合ってからもう、軽く10年は過ぎた。
筑波大医学部卒の、あがつま腰痛堂の片貝先生は、午前は東大で研究をして、午後、この治療院を営んでいる。
とにかく面白くて、話し方も優しくフレンドリーで、博学。
腰痛専門的な名前だけれど、医学全般どころか、中医学も独学でほぼマスターしている。以前、専門資格の最終中医師試験の模試を持って行った所、うんうん唸りながらも、全問正解していた。
西洋医学で解明、回復しきれない多くの症状について、学び続ける先生は、どうしたら病気にならないか、そして、病気になったらどう治すのかを徹底的に学び続けている。
南浦和で、弟さんが治療院をしている。休日には、何十キロとサイクリング。
近くを通った時は、あんまり間が開かないうちに顔出して~って、いつも言ってくれるので、施術中でないタイミングを見計らって寄っている。やたら大きいプリンを買ったとき、
めったに手に入らないケーキの切り落としを買えたとき、珍しい果物が手に入ったとき、
先生の意見を聞きたいときなど。甘いものには目が無い。私の書いたちゃばらの原稿を報告したら、画像を見ながら、
「へえ、ここ最近行かない間にずいぶんと変わってきたねえ。くりーむさんどお?
伊良コーラ?何それ~。漢方調合のようにぃ?おじいちゃんの工房~?」と。
「そう。以前は北海道コーナーなんて、ハッカ系が充実してたり、ハスカップウオーターと かミラービスケット各種味や、まくら。って、すんごい量入ってるのとかあって、いつで も買えたけど、今は特に、報道で取り上げられた的なものが多いみたい。火曜日じゃない と、気仙沼のクリームサンドは売ってないし、伊良コーラも、おじいちゃんの使ってた漢 方製造のその店にしかないん だって。よくあそこ(ちゃばら)に置けたなあと思って」
「そっかあ。ちょこちょこ、見に行かなきゃねえ。」
じっと、クリームサンドの画像を見つめている。
(火曜日のクリームサンドに出会えたら、差し入れよう)
1年ほど前話したことはやはり、多くが、新型についてである。
丁度1年ちょっと前からのこの病による外出自粛、相次ぐリモートワークで、人がいない。
いつも誰か患者さんがいるのが当たり前くらいに人気な先生なのに、困ったように、出歩かなければ感染しないから安全だ。腰痛なんて、寝てりゃあ治るって思う人が殆どだよ。
言ってた。いつも前向きで、ユーモア、冗談たっぷりで人を楽しませるような先生らしくないなあと思うも、それほどまでに街から、人が消えた。
1年前より、元の先生よりも若返ったように元気そうで、ほっとする。
入り口に、小型の加湿器のようなものがあった。先生、これは?先生が得意げに嬉しそう。
「これ、すごいんだよ(筆者)さん。殺菌できる、安心の銀イオン加湿器兼空気清浄機なんだ。
中医の知識を持つお客さんが、コロナ前に医療用にこだわって作っていたものなんだ。
当初は、透析以後で中医学で完治できない人達を、どうしたら、穏やかな優しい、苦し まない時間をすごせるのかと考え、はじめたものが、こんな事になるなんて思っても無 かったよね、誰も。」
話に夢中で、先生とその機械のチラシを撮影したものの、入り口にあった本体は、すれ違いに入ってきた患者さんに遠慮して、外から撮影。
秋葉原にある、某大手量販店の空気清浄機のフロアは、広く取られていて、各メーカーのものが並んでいた。空気清浄機と、加湿器が合体したようなものはどこにも見当たらない。
CM等でたまに耳にする、次亜塩素酸の札はあったが、銀イオンも皆無。
けっこうな値段だ。
ウイルス除去をうたうものは、大体5万円以上~15万円位まで。
先生のところの入り口にあった程度の大きさのものは、この量販店のどこにもない。
「部屋の全てを殺菌するなんて無理だ。って仲間のどの医師も言っている。
だから入り口に設置されていれば、入ってくる人の菌は拡散させず、殺菌できる。
狭い日本、大きい機械は必要ないんだ。
僕は次亜塩素酸は使わない。銀イオンは、歯医者さんが殺菌でコップに入れてくれる水だ から、飲んでも大丈夫。
アルコール殺菌とかよく聞くけど、濃度がわからないものばかり。70%とかじゃ、手が荒 れちゃうけどこれなら荒れないもの。」
いつも患者さん、お客さんの立場を思う先生らしい言葉だ。
まさか、そっと入り口に置いてあるあの可愛らしい機械にそんないろんなこだわりや意味があるなんて思わなかった。
某量販店で税込44000円。(寸法195×195×319 重量2.1キロ ノウェム国際)
その上、上記の約半分の大きさのものまで間もなく発売されるという。
製作者や先生の今の思いのように、感染が減って行き、苦しまない日々を送る人々が不安なく暮らしてゆけるようにと願うばかりだ。
あがつま腰痛堂
千代田区神田須田町2丁目12−5
午後以降20時まで
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